◆ステンドグラスとは◆



ステンドグラスとは、色ガラス断片を鉛でつなぎ合わせたもので、窓やランプ等の作品が多く作られています。
日本では認知度がまだまだ低いようで、一枚のガラス板の上からいろんな色を塗っているものだと思っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。本物のステンドグラスはたくさんの種類の色ガラス板を一枚一枚カットしてつなぎ合わせており、その工程の大変さはみなさんの想像をはるかに越えるものだと思います。
最近はよくステンドグラス風の窓やランプがあり、ますますステンドグラスを誤解される方が増えてしまうのではないかと心配です。

◆ステンドグラスという言葉の由来◆


ステインとは「着色する、染付ける、脱色する、焼き付ける」といった意味で、焼き絵を施したガラスというのが本来の意味です。ただし、各国ではそえぞれ独自の言葉で呼んでおり、例えばイタリア語ではヴェトロ・コロラート=色のついたガラス、フランス語ではヴィトライユ=鉛でつないだ板ガラス、ドイツ語ではグラスマーラーライ=ガラスの絵、ロシア語、チェコ語、ポーランド語、ブルガリア語、クロアチア語もイタリア語と同様に色のついたガラス、といった具合です。言葉の由来はそれぞれですが、日本においてはステンドグラスといえば鉛でつないだガラスによる作品を広く指しています。



◆ステンドグラスの起源◆


ステンドグラスの起源は定かではないといわれていますが、古代ローマ時代からすでにガラスの断片を組み合わせた窓が作られていたようです。その後ヨーロッパ各地の教会で、字の読めない人々のために神の教えの物語を表すためにステンドグラスが作られはめ込まれました。
現存する最古のステンドグラスは、アルザス地方のヴィッサンブール修道院から発見されたキリストの顔で11世紀に作られたものとされています。この11世紀ころにはすでにステンドグラスは完成されていたのです。








◆ティファニーランプ◆


ヨーロッパでは教会の窓としてステンドグラスが発展してきたのですが、19世紀のアールヌーボー期にアメリカのルイス・C・ティファニーがステンドグラスの全く新しい技法を考え出します。それまではガラス断片を鉛のレールにはめ込んだ大型窓に適応したものでしたが、ティファニーが考案したのはガラス断片の周りに銅のテープをまいてハンダ付けするという、細かい模様のランプなどに適した技法でした。また同時にオパールセントガラスという不透明の乳白色ガラスを発明します。ティファニー工房はこのガラスと新技法により数多くの芸術的なランプを生産しました。






 

◆日本のステンドグラス◆



日本におけるステンドグラス技術の導入は、1886年明治政府によって進められた東京工業学校建築技師のドイツ留学に始まります。その中の一人、山本(のち宇野沢)辰雄氏がベルリンでステンドグラスの技術を身につけ、帰国後にドイツ系ステンドグラスを広めました。
一方、1910年美術学校出身の小川三知氏は渡米して米国風ステンドグラスの技法を体得、宇野沢派のドイツ系に対するアメリカ系のステンドグラスを広めました。
現在の日本のステンドグラスでは、建築窓のステンドグラスはヨーロッパの技法を、またそれ以外の室内装飾品(ランプや写真たてなど)はアメリカ(ティファニー)の技法を主に使って作られています。


参考文献  [ゴシックのステンドグラス」ルイ・グロデッキ他 岩波書店
「日本のステンドグラス」工房通信編集部